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「人工甘味料が脳を老化させる?」──最新研究が示す“見えないリスク”

  • 執筆者の写真: hirotake matsuura
    hirotake matsuura
  • 2025年11月20日
  • 読了時間: 4分


 砂糖の代わりとして健康志向の方に広く使われてきた人工甘味料ですが、近年の研究で見逃せないデータが相次いで報告されています。


 それは、人工甘味料が脳の老化と関連している可能性です。


■ “1.6年分”の脳の老化に相当


ブラジル・サンパウロ大学による大規模研究(12,772人、平均52歳・8年間追跡)では、

人工甘味料の摂取量が多いほど認知機能の低下が早く進むことが明らかになりました。


・摂取量が最も多いグループは、最も少ないグループより認知機能の低下が 62%速い

・これは 約1.6年分の脳の老化 に相当

・中間グループでも 35%(約1.3年分)速い低下がみられる


思考力、言語の流暢性、記憶力、作業記憶など幅広い領域で変化が確認されています。



■ 60歳未満で特に強い影響


この研究では、人工甘味料の影響が60歳未満の中年層でより強く現れました。中年期の食習慣が、将来の脳の健康に大きく影響する可能性があることを示唆しています。



■ 糖尿病患者ではさらに顕著


糖尿病のある参加者では、人工甘味料の摂取と認知機能低下との関連がより強くみられたと報告されています。


血糖管理のために人工甘味料を使用する人が多い一方で、糖尿病自体が認知症リスクを高める要因でもあるため、脳が影響を受けやすい状態にあると考えられています。


■ 影響が疑われた甘味料/疑われなかった甘味料


研究対象となった7種類のうち、認知機能低下と関連していたのは以下の6種類です。


【関連がみられた】

・アスパルテーム

・サッカリン

・アセスルファムK

・エリスリトール

・ソルビトール

・キシリトール


【関連なし(例外)】

・タガトース(希少糖の一種)


種類ごとに作用が異なる可能性がある点も重要です。



■ なぜ“脳”に影響するのか?考えられる3つの仮説


今回の研究は因果関係を証明するものではありませんが、専門家は次のような仮説を挙げています。


① 神経炎症を引き起こす可能性

一部の人工甘味料(例:アスパルテーム)は脳内で炎症を起こす可能性が指摘されています。


② 腸内細菌叢への影響

糖アルコール(エリスリトール、ソルビトールなど)は腸内環境を乱し、腸脳軸や血液脳関門に影響を与えると考えられています。


③ 脳のエネルギー不足

人工甘味料は脳の主要なエネルギー源であるブドウ糖を供給しません。

そのため、人工甘味料の多い食生活では、脳が本来の働きを維持しにくくなる可能性があります。



■ 「砂糖を減らしたつもり」が、脳に負担をかけている可能性


人工甘味料はダイエット飲料、フレーバーウォーター、ヨーグルト、低カロリー菓子など、“ヘルシーなイメージ”の商品によく使われています。


しかし、こうした食品を習慣的に摂取している場合、長期的に脳に負担がかかる可能性があることが示されました。


砂糖の代わりに選んだ飲み物や食品が、数年後の認知機能に影響しているかもしれません。



■ では、どう気をつければよいのか?


以下の点を意識するだけでも、脳の健康を守る助けになります。


● 成分表示をチェックする

『アスパルテーム』『アセスルファムK』『エリスリトール』などの表記を確認する習慣が大切です。


● 毎日の摂取を避ける

“たまに”ではなく、“習慣的に”摂取し続けることがリスクにつながる可能性があります。


● 自然由来の甘味料を検討する


研究チームは次の代替品にも注目しています。

・リンゴソース

・ハチミツ

・メープルシロップ

・ココナッツシュガー


● 加工食品に依存しすぎない

加工度の低い食品中心の食生活にすることで、人工甘味料の摂取も自然に減らすことができます。


■ 脳の健康は「中年期の選択」から大きく変わる


認知症の症状は高齢期に現れますが、脳の老化は何十年も前から始まっています。

今回の研究は、日々の小さな選択──特に中年期の食習慣──が将来の脳の状態を左右することを示すものです。


今日選ぶ1本のドリンク、1つのおやつが、未来の脳の健康をつくります。

「カロリーゼロ」「ヘルシー」という言葉だけを信じず、その裏側にある成分まで意識して選ぶことが、脳を守る第一歩になるのではないでしょうか。


 
 
 

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